佃煮を知る4 佃煮の原料の栄養価
佃煮原料の栄養価
佃煮は水産物、農産物などを原料とし、醤油、砂糖、食塩、水飴などで甘辛く煮詰めた加工食品ですが、素材をまるごと使用するため、各素材の栄養価をそのまま摂取することができる素晴らしい食材です。
たとえば、海藻類は、ビタミン、ミネラル、植物繊維などが豊富に含んでいます。
魚類・貝類では、良質なタンパク質や各種ビタミン、カルシウム、鉄、リンなどを多く含み、農産類では、豊富な食物繊維や各種ビタミン、カルシウム、アミノ酸などが多く含んでいます。
めずらしい食材では、「畑のカルシウム」と呼ばれる、いなごには豊富なカルシウムが含まれております。また、健康食材として大人気のくるみには、抗酸化値が最も高く、さらに各種ビタミンや食物繊維、ミネラル、メラニン、マグネシウムなど人間の健康維持、増進に必要な成分が豊富に含まれています。
そんな原料をそのまま味わえる佃煮はまさに健康食と言えるのでないでしょうか。
〔海藻類の栄養〕
・海藻に含まれる栄養素とその効能ですが、栄養素の種類としては、ビタミン、ミネラル、植物繊維などで、不足しがちな鉄分やカルシウム、ヨウ素も豊富に含んでいます。これらの効能としては、ビタミンやミネラルは糖質・タンパク質・脂質が十分に力を発揮できるように潤滑油としての働き、食物繊維は整腸作用や免疫力を高めること、鉄分は貧血の予防、カルシウムは骨や歯を作ったり、消化酵素を活性化させる働きなどかなり多くのものがあります。
・特に、海藻に含まれる食物繊維は「水溶性食物繊維」で、腸内のコレステロールを吸収して排出する効果があります。さらにこの水溶性食物繊維の主成分は「フコダイン」と「アルギン酸」という優れた薬効を持っています。
〔昆布〕
昆布には、様々な海洋ミネラル成分が豊富に含まれています。特に
昆布に含まれるヨウ素は海藻類の中で最も多く、ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料となり、基礎代謝を活発にしたり、交感神経に作用してタンパク質や脂質・糖質の代謝を促進する働きがあります。
また、水溶性食物繊維である「アルギン酸」が昆布には多く含まれており、大腸の働きを活発にして便通を促す働きがあります。
便通が順調になることによって、コレステロールや腸内の有害物質が体外に排出され、大腸ガン・動脈硬化などの病気の予防に効果的です。さらに、昆布のヌルヌルに含まれる成分で、多糖類のひとつである「フコダイン」は、胃の炎症や潰瘍の予防・修復をする働きや、肝機能の向上、がん細胞を死滅させる効果があり、がんの発生・進行を抑える作用があります。
(主な商品:昆布佃煮、昆布豆、細切り昆布、角切り昆布、塩昆布、甘口昆布、からし昆布、酢昆布、わさび昆布、汐炊昆布、昆布巻、にしん昆布巻、さけ昆布巻、あゆ昆布巻、一口昆布巻、おにぎり昆布、しそ昆布、まぐろ昆布、たらこ昆布、うなぎ昆布、胡麻昆布、とうがらし昆布、こんにゃく昆布、とろろ昆布、だし昆布、葉唐昆布、こもち昆布、松茸昆布等)
〔ひじき〕
ひじきには、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウム、ビタミンB2、食物繊維など多く含みます。カルシウムは、骨や歯を丈夫にするほか、ホルモンの分泌や神経の調整に関わっています。マグネシウムは、カルシウムと密接な関わりがあり、カルシウムが血管壁に沈着するのを防いだり、カルシウムの細胞への流入を調整します。
(主な商品:ひじき煮、五目ひじき煮、ひじきちりめん、しそ味ひじき、豆ひじき、かつおひじき等)
〔のり〕
のりには、カロチンやビタミンB12などのビタミン類の含有量が他の食材に比べて格段に多いのが特徴です。カロチンは、ほうれん草よりもはるかに多く含まれます。必要な量が体内でビタミンAにかわり、皮膚や内臓に、目の粘膜を強化し、免疫細胞の働きを活性化します。
(主な商品:のり佃煮、岩のり佃煮等)
〔わかめ〕
わかめには、ぬめりの成分の「アルギン酸」や「フコイダン」などの多糖類が含まれています。アルギン酸は、腸のナトリウムと結合して体外に排出させる働きがあり、高血圧を予防する効果が期待できます。「フコイダン」は、コレステロールを吸着し排出したり、抗がん作用があります。また、昆布と同様にヨウ素も含み、老化などの原因となる活性化酸素を分解するカロチンも含まれます。
(主な商品:わかめ佃煮、わかめ南蛮漬、しばわかめ等)