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佃煮を知る

佃煮とは伝統の味

 佃煮は、小魚、小エビ、貝類、昆布などの水産物や野菜などの農産物を原料に砂糖、醤油、飴、みりん、調味料などで作られた濃厚な調味液を浸透させ甘辛く煮つめた加工食品が佃煮です。

グルメ・飽食と言われる時代にこそ

 各地には、それぞれ郷土色豊かな自慢の料理や名産品があります。佃煮もその一つですね。ところで皆さんご存知でしょうか。佃煮は江戸時代、佃島にちなんで生まれた東京の名産品で、東京が佃煮の故郷だということを。佃煮は決してスポットライトの中心にいる主人公的な食べ物ではありませんが、長い歴史を通して、いつも大事な役割を果たしてきました。グルメや飽食と言われる時代にこそ、歴史を持った伝統的な日本特有の食べ物として、また、最も貯蔵性の長い保存食品として見直したいものですね。

知らずと食べている佃煮!

 佃煮は、あまりに身近な食品だからなのか、空気のようにあまり意識される存在ではありません。佃煮表紙用画像
ところが、コンビニやスーパーなどで人気のオニギリでは、佃煮昆布のオニギリが必ずランキングの上位に入っています。
ふだん意識しないけど、皆さんが大好きな食べ物、それが佃煮です。
昆布だけに限らず、小魚、海苔、貝、ふき等々沢山の種類があります。

佃煮の種類

 佃煮の種類は使用する原料によって分類されます。昆布、わかさぎ、いわし、あさり、えび等を利用した水産佃煮、ふき、葉唐辛子、豆など利用した農産佃煮、いなご、くるみなどを利用したその他の佃煮に分かれます。

 おもな佃煮だけで118種類の佃煮があるといわれていますが、このほかに地方の特産品もいろいろあります。
また、混合佃煮製品といって2品、あるいは3品を一緒に煮た佃煮もあります。さらに、人気商品の昆布佃煮でも、塩昆布、角切昆布、昆布巻、しそ昆布など多くの種類があります。その他にあめ煮、でんぶ、しぐれ煮など、その形状や製造方法によって多種に分かれるので、これらを数えあげれば佃煮の種類は相当な数になります。

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佃煮の製造方法

 佃煮製品は原料の原形のまま或いは食べ易い形にした単一品と混合品とがありますが、いずれも日本人の嗜好に合わせて原料素材と醤油の風味を生かしたもので、甘味を程よく調和させた調味液が素材によくにじみ込むまで丹念に煮熟又は焼煮して原料素材中の水分が調味液中の塩分、糖分その他の調味料と入れかわるまで煮詰め、保存性を高めた調理加工食品です。

以下が代表的な佃煮製造方法です。

〔浮かし煮〕(うかしに)

浮かし煮は、生鮮原料や形が崩れやすい材料で作る場合に適した製造方法です。事前に原料をよく選別、洗浄し水を切っておきます。水、寒天、醤油、砂糖、水飴など調味した煮熟用の煮液を釜に入れて加熱、沸騰させます。沸騰した煮液のなかに前処理済の原料を投入して一定時間煮た後、これを別の容器にすくい上げ、ただちに冷却用の盤またはコンベアに薄く広げて乗せ、送風機、扇風機などで風を送って冷却する製造方法です。

〔煎り付け煮〕(いりつけに)

昆布やスルメ、干しえび等の乾燥材料やいかなご、わかさぎ等の比較的形が崩れにくい材料で作る場合は、煎り付け煮が適しています。

事前に配合調味した糖度の高い調味液を、一定の少量釜に入れ、加熱沸騰させ、その中へ前処理済の原料を投入して焦げつくことのないよう手早くかき混ぜながら煎炊きします。こうして液が全部の原料に浸透したとこで、別の容器にすくい取る方法で、冷却は浮かし煮の場合と同様に行います。

〔浸漬法〕(しんしほう)

煮豆の場合はほとんどこの方法が採用されておりますが、佃煮でも農産原料品、昆布などでこの方法が一部使われております。

ボイル、水炊きなどによって充分水分を含ませ軟化させた原料を、熱い調味液のなかに漬け込んで煮熟したと同じ効果を得る方法です。一定時間浸漬することによって、原料中の水分と漬込液中の塩分、糖分その他が入れ替わって味がつきます。

 

佃煮原料の栄養価

佃煮は水産物、農産物などを原料とし、醤油、砂糖、食塩、水飴などで甘辛く煮詰めた加工食品ですが、素材をまるごと使用するため、各素材の栄養価をそのまま摂取することができる素晴らしい食材です。

たとえば、海藻類は、ビタミン、ミネラル、植物繊維などが豊富に含んでいます。

魚類・貝類では、良質なタンパク質や各種ビタミン、カルシウム、鉄、リンなどを多く含み、農産類では、豊富な食物繊維や各種ビタミン、カルシウム、アミノ酸などが多く含んでいます。

めずらしい食材では、「畑のカルシウム」と呼ばれる、いなごには豊富なカルシウムが含まれております。また、健康食材として大人気のくるみには、抗酸化値が最も高く、さらに各種ビタミンや食物繊維、ミネラル、メラニン、マグネシウムなど人間の健康維持、増進に必要な成分が豊富に含まれています。

そんな原料をそのまま味わえる佃煮はまさに健康食と言えるのでないでしょうか。

〔海藻類の栄養〕

・海藻に含まれる栄養素とその効能ですが、栄養素の種類としては、ビタミン、ミネラル、植物繊維などで、不足しがちな鉄分やカルシウム、ヨウ素も豊富に含んでいます。これらの効能としては、ビタミンやミネラルは糖質・タンパク質・脂質が十分に力を発揮できるように潤滑油としての働き、食物繊維は整腸作用や免疫力を高めること、鉄分は貧血の予防、カルシウムは骨や歯を作ったり、消化酵素を活性化させる働きなどかなり多くのものがあります。

・特に、海藻に含まれる食物繊維は「水溶性食物繊維」で、腸内のコレステロールを吸収して排出する効果があります。さらにこの水溶性食物繊維の主成分は「フコダイン」と「アルギン酸」という優れた薬効を持っています。

 

昆布巻〔昆布〕

昆布には、様々な海洋ミネラル成分が豊富に含まれています。特に

昆布に含まれるヨウ素は海藻類の中で最も多く、ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料となり、基礎代謝を活発にしたり、交感神経に作用してタンパク質や脂質・糖質の代謝を促進する働きがあります。

また、水溶性食物繊維である「アルギン酸」が昆布には多く含まれており、大腸の働きを活発にして便通を促す働きがあります。

便通が順調になることによって、コレステロールや腸内の有害物質が体外に排出され、大腸ガン・動脈硬化などの病気の予防に効果的です。さらに、昆布のヌルヌルに含まれる成分で、多糖類のひとつである「フコダイン」は、胃の炎症や潰瘍の予防・修復をする働きや、肝機能の向上、がん細胞を死滅させる効果があり、がんの発生・進行を抑える作用があります。

(主な商品:昆布佃煮、昆布豆、細切り昆布、角切り昆布、塩昆布、甘口昆布、からし昆布、酢昆布、わさび昆布、汐炊昆布、昆布巻、にしん昆布巻、さけ昆布巻、あゆ昆布巻、一口昆布巻、おにぎり昆布、しそ昆布、まぐろ昆布、たらこ昆布、うなぎ昆布、胡麻昆布、とうがらし昆布、こんにゃく昆布、とろろ昆布、だし昆布、葉唐昆布、こもち昆布、松茸昆布等)

 

〔ひじき〕

ひじきには、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウム、ビタミンB2、食物繊維など多く含みます。カルシウムは、骨や歯を丈夫にするほか、ホルモンの分泌や神経の調整に関わっています。マグネシウムは、カルシウムと密接な関わりがあり、カルシウムが血管壁に沈着するのを防いだり、カルシウムの細胞への流入を調整します。

(主な商品:ひじき煮、五目ひじき煮、ひじきちりめん、しそ味ひじき、豆ひじき、かつおひじき等)

 


〔のり〕

のりには、カロチンやビタミンB12などのビタミン類の含有量が他の食材に比べて格段に多いのが特徴です。カロチンは、ほうれん草よりもはるかに多く含まれます。必要な量が体内でビタミンAにかわり、皮膚や内臓に、目の粘膜を強化し、免疫細胞の働きを活性化します。

(主な商品:のり佃煮、岩のり佃煮等)


〔わかめ〕

わかめには、ぬめりの成分の「アルギン酸」や「フコイダン」などの多糖類が含まれています。アルギン酸は、腸のナトリウムと結合して体外に排出させる働きがあり、高血圧を予防する効果が期待できます。「フコイダン」は、コレステロールを吸着し排出したり、抗がん作用があります。また、昆布と同様にヨウ素も含み、老化などの原因となる活性化酸素を分解するカロチンも含まれます。

(主な商品:わかめ佃煮、わかめ南蛮漬、しばわかめ等)

 

 

〔魚類・貝類の栄養〕

・魚介類の佃煮は全体を煮込んで作るため豊富なミネラルや良質なタンパク質各種ビタミン、カルシウム、鉄、リン、ヨウ素などの無機質が豊富に含まれております。

・魚類では、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれ、血管を拡張し血液の流れを良くし、血栓を溶かす作用や善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす作用などで、高血圧や動脈硬化、脳卒中の予防に役立つことが知られています。

・貝類では、良質なタンパク質の宝庫だけではなく、疲労回復に力を発揮するタウリンを含み、さらに活性酸素を除去して老化を防ぐビタミンA・Eや悪性貧血の予防に効果があるB12などが豊富に含まれております。

 

 

あじの南蛮漬
〔あじ〕

あじには、EPAやDHAが豊富に含まれ、ビタミンA・B・E,カルシウム、カリウム、タウリンなど様々な栄養素がバランスよく含まれていることから、子どもの成長や健康の維持、美肌に効果的な魚です。

(主な商品:あじうま煮、あじの南蛮漬等)

 

〔あゆ〕

あゆには、タンパク質とカルシウムが豊富に含まれ、人体構成に必要なアミノ酸の含有量も理想的といわれております。タンパク質は、筋肉や内臓、血液など、体の主要な部分を作ります。カルシウムは、骨や歯を強化したり、神経を安定させる働きもあります。目の粘膜を強化し、視力の衰えを防いだり、免疫細胞を活性化するビタミンAも含まれています。

(主な商品:あゆ甘露煮、あゆあめ煮、小鮎山椒煮、あゆ昆布巻等)

 


〔こうなご〕

別名こうなご(小女子)と呼ばれ、骨ごと食べる魚なので、カルシウムをたくさん摂れます。また、骨の成分に欠かせないリンも沢山含んでおり、それらの吸収を助ける働きがあるビタミンDも豊富です。また、鉄分も多く含んでいますので、貧血気味のかたにはお勧めです。

(主な商品:小女子佃煮、くるみ小女子、いかなごくぎ煮、ごま小女子、えび小女子等)

 


〔いわし〕

いわしには、EPAやDHAといった不飽和脂肪酸が豊富に含まれ、これらは血中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きや、脳の働きを良くし老化防止に役に立つなど、主に生活習慣病の予防効果があります。

(主な商品:いわし銚子煮、いわし生姜煮、いわし甘露煮、明太いわし、しらす佃煮、ちりめん、ちりめんじゃこ、ちりめん山椒、ゆばちりめん、ひじきちりめん、しらす干し、しらすくるみ、田作り等)

 


〔さんま〕

さんまには、必須アミノ酸をバランス良く含んだ良質のタンパク質や、貧血防止に効果のある鉄分、粘膜を丈夫にするビタミンA、また、骨や歯の健康に欠かせないカルシウムとその吸収を助けるビタミンDも多く含まれており、成長期の子供や中高年の方は、特に積極的に摂りたい魚です。

(主な商品:さんま時雨煮、さんま銚子煮、さんまみぞれ煮、さんまの蒲焼、さんまあられ等)

 


〔にしん〕

にしんは、脂質が多く、カルシウム、鉄、ビタミンA・B2・D・Eなどが豊富な魚です。お腹にカズノコを持っていれば、さらに栄養は豊富です。

(主な商品:にしん煮、にしん蒲焼、にしん甘露煮、にしんうま煮、にしん昆布巻等)

 


〔わかさぎ〕

わかさぎには、良質なタンパク質や脂質を含み、カルシウム、鉄分、リンなどのミネラル類やビタミンA・B1・B2・B12・D.E、セレンなどが含まれております。特にカルシウムはいわしの10倍も含まれております。

(主な商品:わかさぎ佃煮、わかさぎ飴煮、わかさぎ甘露煮、子持わかさぎ甘露煮、わかさぎ唐揚げ、わかさぎ大和煮、いかだ焼等)


〔あさり〕

あさりには、ビタミンB12と鉄分が比較的豊富に含まれていますが、特にB12が多いといわれています。

このビタミンB12は、動悸や息切れ、出血しやすい、風邪などの感染症にかかりやすいといった症状を見せる悪性貧血に“有効な薬”と言われております。

(主な商品:あさり佃煮、しぐれあさり、あさり浅炊き、山菜あさり、昆布あさり、あさりこんにゃく、しいたけあさり等)


〔しじみ〕

しじみのタンパク質はとても良質です。このタンパク質に含まれる成分は肝臓で処理された不要物を対外へ排出する働きを担う胆汁の分泌を促進し肝臓の解毒作用を活発にします。

(主な商品:しじみ佃煮、しじみ竹の子、しじみ山椒等)

 


〔はまぐり〕

はまぐりには、鉄分やカルシウムといったミネラルが豊富で、亜鉛なども含まれます。また、はまぐりにはビタミンB群も豊富に含まれ、高脂血症や糖尿病、動脈硬化の予防・改善に効果を発揮します。

(主な商品:しぐれ蛤、焼蛤等)

 


〔いか〕

いかは、低カロリーで良質なタンパク質や脂質を含みます。脂質には、EPAやDHAとタウリンも豊富に含まれます。

(主な商品:いか佃煮、蛍いか佃煮、いかあられ、切りいか、のしいか、いかの姿煮等)

 

 


〔えび〕

えびは、高タンパク質で低脂肪、糖質はゼロなのでダイエットに最適です。また、血液サラサラにするEPAやDHAも多く含み、さらには、味覚障害を予防する亜鉛や銅などの微量元素も多く、殻や尾には骨粗しょう症予防、骨の強化作用があるカルシウム、便秘や冷え性に効果のあるキチン質が多量に含まれています。

(主な商品:えび佃煮、桜えび佃煮、えび小女子、南蛮えび、えび豆、あかえび、大根えび、小えび、甘えび、えびあられ、あみ佃煮、生あみ、鬼がら焼等)

 

〔農産類の栄養〕

 


〔椎茸〕

椎茸には、他のキノコに見られないエルゴステンという物質を豊富に含んでいます。これは、日光や紫外線に当たるとビタミンDに変化します。ビタミンDは、小腸でのカルシウムの吸収を助ける働きをし、骨や歯の強化・発育に欠かせない栄養素です。

(主な商品:椎茸佃煮、椎茸甘露煮、椎茸昆布、椎茸丸煮、一口椎茸、椎茸あさり等)


〔しそ〕

しそには、各種ビタミン、カロチン、カルシウム、鉄、リンが多く含まれているのが特徴です。特にカロチンの量は、野菜野中でもトップクラスで西洋のカボチャの約3倍も含まれます。カロチンは、活性酸素を除去する抗酸化作用をもち、動脈硬化や老化、がんの予防に役立ちます。

(主な商品:しそ巻、しそ昆布、しそなんばん、しそ味ひじき等)


〔竹の子〕

竹の子は食物繊維の豊富なヘルシーな食材です。

竹の子を切った時に見られる白い粉のような成分は、「チロシン」というアミノ酸の一つであり、感情や精神機能の調整に関与している物質です。

(主な商品:味付メンマ、醤油メンマ、竹の子土佐煮、竹の子やわらか煮、水にメンマ等)


〔唐辛子〕

唐辛子に含まれる辛み成分は「カプサイシン」によるもので、種子や果皮に多く含まれています。「カプサイシン」はアドレナリンの分泌を高めて、グリコーゲンや脂肪の分解が促進されエネルギー代謝が高まります。体脂肪をエネルギーとして消費するので体脂肪の低下が期待されます。

(主な商品:葉唐辛子、葉唐昆布、七味唐辛子、塩漬け唐辛子等)

〔ふき〕

ふきは、食物繊維が豊富でコレステロールの排出や、便秘に効果があり、高血圧や動脈硬化の予防にも役立ちます。また、塩分の排出を助け血圧を下げる働きや、利尿作用のあるカリウムも多く含みます。ふきの苦味は、ポリフェノールの一種クロロゲン酸で、食中毒の予防、抗酸化作用などの健康効果が期待できます。

(主な商品:蕗のとう、きゃらぶき、ふき山椒、ふきしぐれ等)

 

〔その他原料の栄養〕

 

〔いなご〕

いなごは「畑のカルシウム」と呼ばれるほど、カルシウムを豊富に含んでいます。その他にビタミンAや健康な皮膚を作るビタミンB2、貧血予防に効果的な鉄分も含んでいます。

(主な商品:いなご佃煮、いなご甘露煮等)

 


〔くるみ〕

くるみはナッツ類で抗酸化値が最も高く、さらにビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸、マグネシウム、銅、亜鉛などのビタミンやミネラルをはじめ、食物繊維、メラニンなど人間の健康維持、増進に必要な成分が豊富に含まれています。動脈硬化を防ぎ、コレステロール値、中性脂肪値を下げ、心臓病、がん、脳溢血、脳卒中、糖尿病、高血圧、肥満など、いわゆる生活習慣病予防に効果を発揮すると期待されております。

(主な商品:くるみ佃煮、くるみ小女子、しらすくるみ、くるみ白魚、ちりめんくるみ等)